恋に患って |
| あの晩を 忘れてくれという人の指は鎖の輪につながれて あの年が うるう年なら良かったと思う三月別れ花咲く おととしも去年も恋は花咲かず 今年も同じ春がくるのか 知るすべもまた会うすべも絶えてなお 今日また誓う恋の不滅を せめてもの別れの嘘に気付かない振りをしてみる そっと手を振る 別れ風温かく吹くその度に いとおしさ増す過ぎ去った日々 アジサイの花を別れの挨拶に うつろう色に夢の破れて 忘却と記憶の中をさまよった あの人の影強く残って 盆過ぎの短い夜に咲いた花 実を結ばぬと知って咲く花 一人夜に 寂しくもなり愛も無く肌を重ねて浅く眠って 太陽の直視を避けて愛の無い 愛の行為を繰り返す部屋 台風があなたに続くこの道を 消さないように空に祈って 気だるさに汗ばむ午後の夢のあと 消え行くあなたの姿を追って |
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