季に染って |
| 梅の香が春を運んで海へ吹く 霞に浮かぶ水平線へ 梅の香に誘われ外に出てみれば 夢の間に見た空が広がり 眠い目を こすりながらも春風に向かって歩く今日は吉日 つきぬける 空をみあげた傍に立つ空白感に眩暈溺れる 7年間 待つことを知る油蝉夜鳴くことを許す気持ちに うす雲の赤紫に染まるさま 去り行く夏に心焦がして 晩秋の一人寝る夜の寂しさに コオロギつかまえ部屋で鳴かせて ヒヨドリの鳴く声までが鋭さを冷たさを持ち 頬をかすめて 山の端にただ一片がのぞくだけ 冬の夕日も名残惜しくて アルバムの幼き時のクリスマス 無邪気にはしゃぐ少年の顔 降り積もる雪に圧されて切なさが 音立て軋(きし)み凍りついたり バスを待つ掌(てのひら)に降る雪ひらが 溶け出す前に拳を握り 降る雪に霙(みぞれ)が混じり雨になり 都会の顔もまた薄汚れ |
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